Lesen
千夜千冊の概要を、インタビュー形式で語ってくれてます。「読書術免許皆伝」まで行くかどうかは別として、松岡氏的読書のコツはとても参考になる。様々な書籍が、様々な知識が繋がっていくのは楽しいよなぁ。
『日本人の身体能力を〜』よりも理論的で深い内容。著者が専門とするロルフィングや世阿弥の花伝書にとどまらず、ヘリゲルの弓術や漢字の成り立ち・単語の語源、老荘思想、陰陽五行、建築学など様々なものになぞらえて姿勢や身体作法の何たるかを説いている…
「子供と一緒にやってみよう」的な趣旨のためか、全体的に平易な表現+構成で読み易い一方、深くはない。また、子供向けな感じのエクササイズがあったりもする。
ゆるめる関連+意識関連。「身体意識」なるものの概念の説明がわかりやすい。が、身体の動きについてはイラスト表示なので微妙。前半でイチローやタイガー・ウッズでもってさんざっぱら”フカス”のはちょっとずるい。
戦後の音楽教育の失敗、かつて鴎外や漱石が文学において行なった試行錯誤を未だに模索しなければならない日本古典音楽の悲劇。江戸の三味線音楽・大衆音楽文化において、日本伝統音楽の歴史が様々に取り込まれ、総合的に花開くこととなった。「実は現代化が…
濃密な本編も読み応えがあるが、巻末付録の兼子さん(宗悦氏の奥さん)へのインタビューがとても面白い。宗悦の頑固さ、空襲のエピソード、民藝協団のエピソードなど。
「分からない言葉は調べる」「記憶があやふやになったら後戻りする」など当然と言えば当然な内容だが、「速く読まなくて良いんだ!」と個人的にほっとしつつ。
エミイル・ジンクレエルの、聖と俗をめぐる魂の彷徨。
青春の挫折。
原題は「語内容 − そのドイツ語と英語における構造」。語の詳細な意味と、その使用が許される条件=場を詳細に、微視的に検討し分類してゆく。内容が細かすぎて若干退屈なくだりもあるが。ドイツ語や英語を勉強中な人にも、さらには詩の読解にも使える。三章…
芸術家としての価値観と市民生活(への軽蔑と憧憬)との葛藤を描いた、著者の自伝的小説。かつて大正〜昭和初期にかけて日本のインテリに広く読まれたそうな。ストーリー的には「ヴェニスに死す」との対比も。この時点で既に男色癖があったらしいことも読み取…
老作家 グスタフ・アッシェンバッハがどんどん狂っていく様が描かれる。これは、マン自身のある種の自嘲でもあるのかなぁ。
初期の短篇。とのことで、比較的似たテーマの内容が多いという印象。「芸術と人生、芸術家と俗人という対立」と解説にあり、自尊と自己卑下と言い換えることもできるのだと思う。未だにまるで中学生みたいに八方塞がりで日々葛藤と矛盾ばかりで全く自己確立…
薄い文庫だからとなめてかかったら、まぁ〜難しい。カント哲学を下敷きにしていてその筋の用語が出てくるので、基礎知識がないときつい。さくっと言えば「美とは自由に基づくもの」という感じだろうか? 一切は、各々のものがただ、自己の考えにだけ従って動…
廃墟の表象史として興味深く読んだが、写真がモノクロで小さいのが惜しい。新書なので仕方がないが。
以下メモ。「モノのデザイン」によって、まさに人間の生活自体がデザインされてゆく。モノの消費は利用価値からイメージ面へと移行し、家庭は「家庭を演じること」と化し、他者との些細な差異にしか自身の価値を見出せない。約20年程前の本だが、内容的には…
構成学ってこういうことか。確かに中学の美術の授業でやった。気がする。しかし当時嫌いだった美術担当教師(本来は古文の教師だったはず。なぜ美術を担当していたのか疑問。)を思い出してしまったではないか。バウハウスの背景や流れを垣間見ることができた…
暴力の権化としての国家と、そこから生み出された資本主義。とても分かり易い。VOLの副読本にも良いかな?
カフカ云々…というよりも、一人の希有なチェコ人の伝記。ハンナ・アーレント「全体主義の起源」に着想を与えたそうな。