柏木博「デザイン戦略―欲望はつくられる (講談社現代新書)」読了。

以下メモ。「モノのデザイン」によって、まさに人間の生活自体がデザインされてゆく。モノの消費は利用価値からイメージ面へと移行し、家庭は「家庭を演じること」と化し、他者との些細な差異にしか自身の価値を見出せない。約20年程前の本だが、内容的には今の世の中にもほぼ当てはまる。社会の総アメリカ化は、今に置き換えれば北欧インテリアとかがそれに妥当するし、いわゆるニュー・ファミリーとやらは、言葉は古いがその虚構っぷりはそのままだ。一つ疑問を呈するとすれば、そもそも「あるべき家庭像」なんてものはなかったんじゃないかってこと(急激な変化という点では異論なし)。あと同一内容の文章が繰り返されて若干読みにくい。