あー、かび臭かった。

ツルゲーネフ『片恋・ファウスト』(新潮文庫)読了。米川正夫訳。
どちらも、後半の急激なオチが印象的でなおかつ物語的。そう言えば、
初めて読んだドストエフスキーは米川訳だった。「片恋」という訳題は、
二葉亭四迷がつけたそうな。ちなみに原題は「アーシャ」。

 ドイツに文学なんてあるわけがない
 だってドイツ人は書物を焼いていたもの

とは、『ぼくの村は戦場だった』の中の科白だったと記憶している。そんな
第2次世界大戦中(戦後も)のソビエト人の心情とはうらはらに、風景描写の
豊かなこの19世紀ロシア人作家は、古いドイツの文学者へとオマージュを
贈っているのだ(そう言わずにはいられなかった戦時下の状況はまた別だが)。

Television『Marquee Moon』
Einstuerzende Neubauten『Zeichnungen Des Patienten O.T.』

ノイバウテンにしてもSPKにしても、今の耳で聴くとさほどノイジーでも
なければ邪悪でもない。むしろ純粋に音楽として聴ける。とは言っても、
SPKの「スローガン」は流石にうるせーとは思うが。